コラム インプラント

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インプラント治療の長所・短所

インプラント治療という言葉はインターネットや書籍などで多くの情報を得てると思いますが、比較的長所は多くの患者さまが理解していると感じます。しかし短所についてはなかなか理解していただくことが難しいようです。現在の歯科治療の中でインプラント治療は最良の欠損治療と考えますが、残念ながらインプラントといえども完璧な治療法とはいえないケースもあります。
以下にそれらを述べます。

インプラント治療の長所

天然歯の噛み心地

噛む力が天然歯とかわりません。これは人工歯根を顎の骨に埋入して、完全に固定しているからです。このため入れ歯のようにぐらつく、長期間使用している間にゆるんでしまう、などということは起こりません。ただ、天然歯と同様に噛む事ができるわけですから、普段からかみ合わせの力が強い方は、かえって力がかかりすぎるという例が稀にあります。この場合は、上部構造(歯冠)を壊さず、なおかつ周囲の歯槽骨にダメージを与えないよう歯科医の技量が問われます。
また、睡眠中に無意識に歯軋りや食いしばりをする癖のある方の場合は、夜寝る時にプラスチック製のマウスピースを使用していただき、かみ合わせのストレスを軽減することを図ります。

いずれにしても、どんな食べ物でも自由自在に噛んで食べられるということは人生の喜びのひとつと考えます。

外れる心配がない

歯槽骨にぴったりと結合した人工歯根の上に支台部と上部構造が固定されているため、入れ歯のようにぐらついたり・かたついたりし外れることはありません。
特に総入れ歯の場合は、食事やおしゃべりをしている最中に外れそうになりひどく恥ずかしい思いをしたというお話をよく耳にします。
他人の目が気にかかる場合には、こうした心理面での抑圧や不安は、はたから見ている以上に大きなものです。
こうした、ストレスから開放され、楽しく食事ができること、ゆとりをもっておしゃべりを楽しめることなども、インプラント大きな長所のひとつといえます。

美しい自然な仕上がり

外から見て、綺麗な自然の歯に見えるという審美性に優れている点も重要です。
部分入れ歯の場合、クラスプが目立ちますし、総入れ歯の場合はどうしても不自然さが先にたってきます。これに対しインプラントの場合は、人工歯根の上の支台部を色々選択でき、これを歯茎の下に隠れるように設計できますから、外は上部構造しか見えないように審美的に、自由自在のお好みの歯を取り付けることが可能です。

歯槽骨の吸収を防ぐ

インプラントは天然の歯と同じように歯槽骨の中にしっかりと埋植されています。したがって咀嚼する度に咬合力がインプラントを介して直接歯槽骨に伝わります。
入れ歯を長く使用していると、持続的な圧迫により歯槽骨が毎日少しずつ吸収され続け最後はほとんどなくなり、お顔がくぼんで老いた様相に変わってしまいます。インプラントの場合はしっかりと口腔ケアをおこない、インプラント周囲炎を予防すれば、歯槽骨の吸収を防いで健常な状態が維持することができ、いつまでも若々しいお顔でいられます。

インプラント治療の短所

長期にわたる治療期間

一般的な例でいうと人工歯根が歯槽骨に結合する期間だけ見ても、上顎では約6ヶ月、下顎では約3ヶ月必要とされます。また、厳密な審査・診断と治療計画にも十分な時間が必要です。これほどまでに時間をかける必要があるのは、インプラント治療は外科的手術と(審美)補綴治療の両者が必要であると同時に人工臓器の性格を持っているからです。
お口の中の歯槽骨に、生体とは違う物質(異物)を埋め込むわけですから、生体に拒否反応がおきてはなりません。

チタンという物質は生体になじみやすい性格をもっているため、この心配はございませんが、それでもチタン製の人工歯根が歯槽骨と完全に結合するには時間がかかります。そして完全に結合したことを確認してから、支台部、そして上部構造を取り付ける手順になります。部位・個人差にもよりますが、4〜8ヶ月ぐらいの期間が必要となります。

場合によっては治療を受けるのに制限がある

糖尿病・腎不全・肝炎・心臓病・喘息・リウマチ・高血圧・妊婦などで、ご病気の状態によっては内科主治医と対診し、慎重に行う必要があります。
これらは、インプラント治療に限らず、抜歯などの口腔外科処置を受ける患者さん全般に当てはまることです。過去にかかった病気でも、現在かかっている病気でも包み隠さず歯科医師にご相談下さい。

インプラント周囲炎のおそれ

自然の歯には歯根膜があります。この膜は大変重要な働きをしています。噛んだ時のクッションの役目を果たすのです。このため強く噛んでも、膜が衝撃力をカバーしてくれます。また、歯根膜には三叉神経が分布しており、触覚・痛覚・温覚・圧覚などを感知し、強く噛みすぎるのを防ぎます。
しかし、インプラント(人工歯根)には歯根膜の機能はついておりません。そのため、強く噛みすぎることが起きるのです。また、インプラント(人工歯根)の周囲が細菌感染しても、痛覚がないため炎症に気づかずに放置するケースもあります。

これらをインプラント周囲炎と呼びます。ですから、治療後の定期検診をしっかり受け、インプラント周囲のプラークの付着を防ぐようすることが大切です。

治療費が高額である